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世界獣医麻酔会議招致小委員会報告

 

 獣医麻酔外科学会では平成14年度において第9回世界獣医麻酔会議を日本へ招致するための招致小委員会(多川小委員長)を設置したことは周知のことと思います。以来、小委員長が米国カリフォルニア州デイビス校のDr. Steffeyと連絡を取りながら、世界獣医麻酔会議の創設者であり、第1回大会の開催委員長である元英国ケンブリッジ大学のDr. Hallと連絡を取り、国際会議招致に関する種々の条件(会場、助成金の有無、我が国の安全性等など)を提示し、具体案として、会場、招待講演者(旅費の支弁も含む)などを提示しました。また、招致するための交渉手段に、キーパーソンとして第64会大会(大阪、開催委員長:大橋文人理事)では米国の麻酔専門医であるDr. Mama(コロラド州立大学)を、また、第66回大会(東京、合同学会開催委員長:田中茂男理事)ではDr. Steffey(カリフォルニア州立大学)を講師として招聘し、彼らと第9回世界獣医麻酔会議を招致するための話し合いを行って参りました。.

 ここで会員の皆様に世界獣医麻酔会議の組織並びに日本への大会の招致に関するこれまでの経緯について説明させていただきます。

世界獣医麻酔会議は、米国、カナダ国の獣医麻酔専門協会(ACVAおよびまだ専門医制度の無かった英国の獣医麻酔科学者とが米国、カナダ国および欧州における獣医麻酔の発展のために設立したものであります。その設立記念としての第1回大会が英国ケンブリッジ大学(大会長:Dr. Hall)で開催され、以来、第2回大会が米国、カリフォルニア州サクラメント市(大会長:Dr. Sawyer)、第3回オーストラリア国ブリスベン市(大会長:Dr. Cullen)、第4回大会がオランダ国ユトレヒト大学(大会長:Dr. Lagerweij)、第5回大会がカナダ国ゲルフ市(大会長:Dr. McDonell)、第6回大会がギリシャ国テサロニキ市(大会長:Dr. Raptopoulos)、第7回大会がスイス国ベルン市(大会長:Dr. Schatzmann)

の順に3年間隔で開催されてきました。

この国際会議は、米国、カナダ国、欧州の獣医麻酔専門医、レジデントなどが主体性を持ち、毎回世界各国から300名余の参加者を得て開催されてきました。この会議は、犬、猫などの小動物、馬を中心とした大動物、エキゾチックペットの3分野で吸入麻酔、注射麻酔、局所麻酔、疼痛管理、ショックなどに関する教育講演(卒後教育、継続教育)および一般発表が行われ、極めて充実した専門的な学会であります。

小生は、第2回大会から参加し、以来、全ての会議に出席してきました。第7回大会の折り、Dr. Steffeyから日本でこの国際会議を開催する希望の有無を問われ、その後、獣医麻酔学会の役員会等でその可否を問い、平成14年度には我が国へ招致する交渉を進めるための小委員会を設置しました。第9回大会開催地の決定が第8回大会の開催地であるテネシー州(主催:テネシー州立大学、会期:2003916日〜20日)で決定されることが知らされており、招致小委員会では多くの会員の参加を促すために努力を重ねて参りました。第8回大会へは日本から6演題、10名の先生方の参加を得ました。しかし、大会へ出席のためにテネシーに出向いた結果、ブラジル政府が大きくバックアップする方向で交渉してきたブラジル国サントス市に第9回大会の開催地として既に決定していました。テネシーでの会議の折り、Dr. Sawyerと第9回大会の開催国の決定に関するこれまでの経緯と今後の世界会議の展開について話し合う機会があり、いくつかの情報を得ました。すなわち、これまでに第9回大会の開催国としては、ブラジル、シドニー、インド、南アフリカ並びに日本が候補として挙がっていたこと、第9回の開催国として政府自信が大きくバックアップすることがブラジルに決定した大きな要因であったこと、第10回大会は記念式典も含めて第1回開催国である英国での開催が予定されていること、

第11回の開催国として日本の可能性が高いことなどであります。

話は前後しますが、第66回合同学会の折り、Dr. Steffeyを囲んで、招致小委員会の委員(竹内名誉会員も同席)と第9回大会の日本への招致について話し合う機会を設けました。その話し合いの中で、第9回大会の開催地は、既に数人の委員によって決定されている可能性があること、第7回大会までの開催地が英国のDr. Hall, 米国のDr. Sawyerおよびオランダ国のDr. Lagerwiejの3人によってある程度決定してきたことが判明しました。遅ればせながら、当学会も早急にこれらの3名の組織委員に連絡を取るようアドヴァイスを頂き、その後、Dr. Hallには現時点での進捗状況を問い合わせるために小委員長からメールを送信しました。しかし、Dr. Hallからは何の返事も無く、テネシーに小生が出向いた時には既に第9回大会の開催国がブラジルに決まっており、その情報を入手した小生にとって、また、同行して頂いた山谷委員(日大)、山下委員(酪農学園大)にとっては落胆する思いでした。

以上がこれまでの世界獣医麻酔会議招致に関する経緯であります。世界獣医麻酔会議の日本への招致は、小生が獣医麻酔外科学会の会長として実現させる使命を担った大きな学会の事業の一つであったことから会員の皆様には遅ればせながら、この場をお借りしてその力不足であったことに深くお詫びするものであります。なお、今後の我が国への国際会議招致の続行の可否については、理事会、評議員会等で検討する予定であります。

                     

 

[文責:多川 政弘]

 
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